レッサーパンダ Red Panda

キュートなミニパンダ
レッサーパンダ画像1
パンダと言えばもちろんジャイアントパンダが有名ですが、忘れてはならないのがキュートさなら負けないレッサーパンダ君です。彼らは まるでぬいぐるみの様なかわいい体 と愛嬌のある顔で日本全国の動物園で人気者となっています。多分彼らを見たお客さんから一日に百 回ぐらい「かわいい〜」と言われてるのではないでしょうか?

レッサーパン ダの生まれ故郷は世界の屋根ヒマラヤ山脈から中国にかけての山岳地帯で、海抜 1800mから4800mのとても高いところにある笹などが良く茂った森の中に棲んでいます。彼らが住んでいる地域は温度が一年を通して摂 氏10〜25度ぐらいに保たれていて、とても過ごしやすい気候になっています。そのせいかレッサーパンダは暑さには弱く、日本の動物園などでは夏にはかな りばて気味になってしまうそうです。ちなみに中国にいるものはジャイアントパンダとその生息地が重なっています。

実はレッサーパンダには二つのタイプ(亜種)があり、インドなどの生息地の比較的西の方に住ん でいる「ニシレッサーパンダ」中国などの北東の国々に住んでいる「シセン(四川)レッサーパンダ」が知られています。彼 らはインドやバングラディシュを流れるブラマプトラ川を境にして生息地が分かれていて、ニシレッサーパンダの方がシセンレッサーパンダより明るい色をして おり、やや体が小さいそうです。日 本の動物園で見られるのはほとんど中国が生まれ故郷のシセンレッサーパンダですが、唯一「熱川バナナワニエ園」でのみニシレッサーパンダが飼育されて います。熱川バナナワニ園では繁殖にも成功しており、海外の動物園にもレッサーパンダを送り出しているそうです。またシセンレッサーパンダ の現地での生息地は近年南の方に拡大していることが知られています。

ところで今でこそ「パンダ」と 言えばジャイアントパンダを誰もが思い浮かべますが、もともとはジャイアントパンダが見つかる 前にこのレッサーパンダレッサーに付けられた名前でした。この名はネパール語の「panya」という単語をも とにしており、「笹と植物を食べる もの」という意味があるそうです。

しかしその後ジャイアントパンダの存在が世界に知れると彼らは「小さいパンダ」という意味の「Lesser Panda」と いう名前で呼ばれるようになってしまいました。もともとレッサー君の方が本家本元のパンダなのに少しひどい話です。またその他にもレッサーパンダは数多く の異名を持っており、英語では「Red panda(赤いパンダ)」という名前の方がよく使われていて、その他にも「Fire Fox(火のように赤いキツネ)」とも呼ばれています(まるで某インスタント麺商品の商品名 みたい…?)。一方中国語ではジャイアントパンダのことを「熊猫」と書きますが、レッ サーパンダは「小熊猫」と なっています。やはりこちらでも彼らは「小さいパンダ」なんですねぇ…。

なぜかどことなく心外な名前を付けられているレッサーパンダくんですが、彼らの学名はAilurus fulgensと言い、ラテン語で「輝くネコ」という意味です。 とてもかっこ良い名前ですが、これはレッサーパンダを初めて見たあるヨーロッパ人が感動して名付けたものであると言われています。また名前の中に「ネコ」 が入っているのは、彼らが顔を前足で洗ったり全身をなめて手入れする様がネコに似ているからだと言われています。

そんなわけで色々とジャイアントパンダと関係が深いレッサーパンダ君ですが、彼らが本当にパンダの仲間であるかどうか は長い間議論の的となってきました。彼らは食べ物などはジャイアントパンダと共通しているものの、しっぽや歯、頭骨などの見た目はどちらかというとアライグマに近く、かつてはアライグマ科というグループに分類されていました。その 後アライグマ科ではなく、ジャイアントパンダと同じクマ科に再分類されたものの、近年のDNA研究から彼らはそ のどちらにも属さないという意見が一般的になり、現在ではレッサーパンダ科という独立したグループに分類されています

ふさふさの尻尾がポイント
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レッ サーパンダのといえばやはりその特徴的な模様ですが、頭と胴体の上側は赤茶色の毛皮で覆われて おり、体の下と足の部分は黒くなっています。また体には 白い模様がありますが、これはそれぞれのレッサーパンダごとに異なっており、個体を区別するときに役立ちます。彼らのしっぽには、濃い茶 色と薄い茶色の輪っかが交互に並んだ模様がありますが、この模様は木が茂った森の中で身を隠すのに役立っていると考えられています。その他にもこの太い しっぽは、歩くときにバランスを取るのに使われているといわれています。

レッサーパンダの体の長さは80〜120cmぐ らいで、そのうちのなんと30〜60cmぐらいがしっぽで、ほとんど胴体の長さと変わりません体重はオスの方が少し重くて4.5〜6.2kgぐらい、メスのレッサーは3〜4.5kgぐらいになります

レッサーパンダの足には鋭い爪が付いているのですが、実は部分的にであるもののネコと同じように出し入れすることが出来ます。また彼らの足の裏は毛でおお われていますが、これは彼らが高い山の上で済むため、積もった雪などの上を歩いた時に体温が逃げるのを防ぐ役目があると考えられています。また表面の毛の 下には羊の毛に似た下毛が生えていますが、これも寒さから身を守るために役立っています。

レッサーパン ダの繁殖期は12月の終わりから2月のなかばにかけてで、 それぞれのレッサーパンダは一シーズンに複数のパートナーと交尾を行います。交尾後平均134日ぐらいの妊娠期間を経て1〜4匹ぐらいの子供が産まれます。出 産は5月の終わりから7月の初めで、彼らが一番活動的な時間である午前4時〜午前9時の間に行われます。出産の数日前になるとメスは出産のための巣をつく るために、木の穴の中や岩の間などに草を運び混みます。一方オスはほとんどの場合子育てにかかわることはありませんが、本当にまれにですが一緒に過ごしメ スの子育てを手伝うことがあるそうです。

産まれてくる子供の体重は110〜130gぐ らいで、産まれてくるとすぐにお母さんによって体をなめてきれいに掃除されます。この時に親子は臭いを嗅ぐこ とでお互いを認識するといわれています。お母さんは初めの一週間ぐらいは子供に24時間つきっきりで世話を続けます。産まれてきた直後は子供の眼はまだ開 いていませんが、生後18日ぐらいで開き始めます。そして産まれてから14日ぐらいから次第に巣から出て、外の世界に徐々に慣れていきます。子供は最 初巣の外に出るのは決まって夜の間で、その後約5ヶ月間をかけてひとりで生きて行く術を学んでいきます。

そして次の冬になり、繁殖期が近くなるととお母さんのレッサーパンダは子供たちを自分のもとから遠ざけ、一人立ちをさせます。子供のレッサーパンダは生後 12か月ぐらいで大人と同じ大きさになり、18か月頃には繁 殖が可能になって、2〜3年で完全に大人になります。 彼らの野生における寿命は平均 9〜10年ぐらいですが、最も長いものでは14年間生きるものが居ること が知られています。また動物園などで飼われているものは野生のものより長生きし、 平均13.4歳ぐらいまで生きるそうです。

   レッ サーパンダ関連のトピックス
東京都多摩動物公園で飼われていたオ スのレッサーパンダ「緑太郎(リュウタロウ)」が2月4日肺炎のために死亡したということです。これより少し前に受けた胃捻転 の手術が終わって徐々に回復している途中のことだっただけに、非常に残念な結果となってしまいました。緑太郎はこれまで7頭の子供の繁殖に成功していたそうです。
2007年 2月7日 産経新聞

福井県鯖江 市西山動物園で飼育されていたオ スのレッサーパンダ「好好(コウコウ)」が1月23日死亡し ました好好は奈良市のあやめ池遊園地生まれで、1993年に西山動物園へやってきて来ました。そして好好はここで人間でいうと100歳に近い19歳まで生き、大往生を遂げたそうです。
2007年 1月24日 読売新聞

岡山県岡山 市の池田動物園で募集していたオ スのレッサーパンダの赤ちゃんの名前が「シュンシュン(瞬 瞬)」に決定し、命名式が行われました。この名前は4つの候補の中から投票で選ばれ、応募総数1548通のうち438通を獲得したそうです。シュンシュンは現在体長約70cm体重4.3kg元気に育っているということです。
2007年 1月15日 毎日新聞

神奈川県川 崎市夢見ヶ崎動物公園キ スをすることで有名になったメスのレッサーパンダ「友友(ユ ウユウ)」が1月8日死亡しました。 友友は12歳6か月と人間でいえば65歳を超える高齢で、老 衰に加え肺炎を発症したことが死因だということです。友友のお婿さんで一緒に暮らしていたオスの「雄雄(ユウユウ)」は寂しそうに、いなくなった友友の姿を探している ということです。
2007年 1月8日 毎日新聞

福井県鯖江市の西 山動物園国内最高齢のレッサーパンダ、「友友(ユウユウ)」が12月19日老衰のため死亡しました。友友は今年で20歳になり、人間で言うと100歳を超える大往生だったということです。また友友は87年長野市の 茶臼山動物園出身の日本生まれのレッサーパンダで、これまで10頭の子供の繁殖に成功していたということです。
2007年 12月20日 毎日新聞

福井県鯖江市の西 山動物園にいるメスのレッサーパンダ「マリモ」が 兵庫県姫路市の姫路市立動物園にお引越しをすることに。マリモは11年間西山動物園で暮らしてきましたが、このたび姫路市立動物園にい る風風のお嫁さんとして新しい生活をスタートするそうで す。
2007年 11月29日 毎日新聞

川崎市夢見ケ崎動物公園の飼育されているレッサーパンダのカップルがキスをすると言うことで評判に。話題になっているのはオ スの雄雄(ユウユウ)とメスの友友(ユウユウ)ですが、繁殖期になるとみられる行動ですが、毎日見ら れるのはよほど仲が良いためなのではないかと言うこと。
2007年 11月24日 毎日新聞

埼玉県東松山市のこども動物自然公園の人気者レッサーパンダの「ココ」が札幌丸山公園にお引越し。お婿さんを探しに行くのが目的らしいですが、2本足で立つ姿が愛く るしいココが北の大地でも人気者になれるでしょうか?お近くにお住まいの方はぜひ会いに行ってみてください。
2007年 11月3日 毎日新聞

神戸市立王子動物園
で飼育されていたレッサーパンダの「洋洋(ヤンヤン)」が、10月25日残念ながら死んでしまったということです。洋洋は今年で22歳人間で言うとなんと130〜140歳の大往生で、日本で一番の長寿のレッサーパンダとして多くのお客さんから親しまれて いました。洋洋のご冥福をお祈りします。
2007年10月26 日 毎日新聞

岡山県池田 動物園で今年7月に生まれたレッサーパンダの赤ちゃんが、 このたび無事に一般のお客さんにお披露目されたそうです。 お父さんであるトクトク とお母さんのフィンフィンの間に生まれたらしいですが、名前は来園した お客さんの人気投票で決定されるとのことです。
2007年10月22 日 毎日新聞

神奈川県野毛山動物園の人気者だったレッサーパンダの「モモタロウ」が14日死んでしまったそうです。モモタロウは同動物園の人気投票で一番になるほどの人気者で、2本足で立ち上が る姿もお客さんに親しまれていたのですが、残念ながら10歳で 天国に旅立ってしまいました。前日まではいつもどおり元気な姿を見せており、死因は不明ということです。
2007年10月21 日 毎日新聞

[画像撮影場所] 東武動物公園

東武動物公園サイトバナー

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