ニホンスッポン Chinese
Softshell Turtle
[雷が鳴るまで離しません]
スッ
ポンといえば鍋で
すが、御存知の通り我
が日本ではガ○ラに
ついで危険なカメさんです。日本に居るスッポンの英語名は上にも書いたとおり、『Chinese softshell
turtle』といい、直訳すると『チュ
ウゴクスッポン』となります。和名にはニホンスッポン、シナスッポ
ン、アジアスッポンなど様々な名前で呼び方があります。また方言で『ガメ』と呼ばれるらしいです。
しかしまたなんで『スッポン』なんて珍妙な名前がついたんでしょうか?かなり気になります。
日本におけるニホンスッ
ポンの生息地は北海道を除くほとんどの地域に分布しており、与那国島や石垣島などにも棲んでいます。また英語名が示すとおり、ニホンスッポ
ンは中国にももちろん見られ、その他にも朝鮮半島や台湾、ベトナム北部などにも生息しています。更にはるかかなた『ハワイ』にも持ち込まれて
いるらしいですが、いきなりこんな凶暴なカメを持ち込まれたら、いくら温厚なハワイの人でも怒りそうな気がしますが…。
ニホンスッポンは丈夫な
皮膚に覆われた、やわらかく、ツルツルした濃いオリーブ色の甲羅を持っているのが特徴です。(英語でスッポンを示す、『Softshell
Turtle』もやわらかい甲羅を持ったカメという意味です。)甲羅の大きさは35センチ程度になりますが、
それに対して胸側の甲羅は明るい色をしており、小さめになっています。更に体重は大きくなると1kgにも達するそうですが、
こんなの池でであったらある意味熊にあうより怖いかも…。また鼻先が細くなっているの
もスッポンの特徴で、その先に鼻孔が開いています。このとがった鼻が彼らの攻撃的な性格に、凄みを加えています。あと、足の指のうち真ん中の三本には爪も
備わっています。
スッポンはほとんどの時
間を田んぼや池、沼、用水路などの水の中で過ごしています。泳ぎは得意で、結構すばしっこく動き回ります。もちろん食性は思いっきり肉食性で、沼の底で魚や甲殻類、軟体動物など手当
たり次第にバリバリ食べています。ただスッポンはあちこちで飼育されていますが、飼育下だと植物性の餌も食べることが分かっています。
このような凶暴なイメージがあることから怖がられているスッポンですが、結構臆病なところがあり、人間が近づくと慌てて水の中に逃げ、砂に潜ってやり過ご
そうとします。しかしながら一旦捕まえられると今度は思いっきり噛み付いてきます。もし、スッポンに噛み付かれたときは水に入れ
るとすぐ離してくれるそうなので、是非覚えて置いてください。(まあその前に、触ろうとする人なんか居ないと思いますが…。)
[ファ○ト、一発!スッポン料理]
スッ
ポンはオスとメスの間で結構外見的な違いがあり、大きさはオスのほうがメスより大きく、太く長い尾を持っています。彼らはなわばりを持って生活しており、
春になると繁殖活動を行い始めます。あのアグレッシブな性格に似合わず、スッポンの親は子供の面倒見が良く、卵を産むための穴を池や川の土手に掘り
ます。その後メスは6〜7月ごろ2cmぐらいの卵を10〜50個程度産み落とし、更に孵化するまで2〜3ヶ月の間それを温め続けます。また
スッポンもカエル等の他の変温動物と同様に、水温が11月から4月頃にかけて水温が
15℃以下になると冬眠を行い、泥の中にもぐります。スッポンの寿命は飼育下においては最長15年に達すると
いわれており、成熟するためには8〜10年もかかります。
ニホンスッポンは古来か
ら高級食材として用いられており、日本では一般に広まったのは江戸時代
ごろであるといわれています。その後各地で養殖も行われるようになり、国内での養殖は明治12年に東京の深川
で始められたものが最初であるとのことです。スッポンの生産高が特に大きいのは静岡県や九州などで、養殖するときには冬でも30℃程度に暖
めて早く成長させて全国へ出荷しています。昔からスッポンを食べると滋養強壮に聞くとされており、水炊きや雑炊等の料理に用いられ生き血なども好まれます。
またドリンク剤等の健康食品
にもスッポンのエキスが利用されており、今も昔も精つけるためには最適の食材です。
高級食材として利用されてきたスッポンは、養殖のためあちこちの国々に持ち込まれ
てきました。先に述べた琉球諸島やハワイなどがこれに当たり、各地で養殖場から逃げ出したり、飼育で
きなくなって捨てられたスッポンが野生化して問題になっています。も
しかすると今夜にも貴方の家の前の溝の中にスッポンが訪れる
かもしれません…。(B級ホラー映画風)