ベニイロフラミ ンゴ Caribbean Flamingo

赤い羽毛がポイント
ベニイロフラミンゴ画像1
世界には色々な種類のフラミンゴが各地に生息していますが、その中で最も赤く、美しい羽毛 を持つことで知られるのがカリブ海の島々などで見られるベニイロフラミンゴで す

彼らは主にカリブ海の島々やメキシコ、コロンビア、ベネズエラなどのカリブ海周辺の中南米の国々、そしてフロリダ州などのアメリカ合衆国の一部に分布して います。

ベニイロフラミンゴは全長 120〜140cmになり、フラミンゴのなかではかなり大きな体をし ています。またオスのほうがメスより体が大きく、オスは体重2.8kgになるのに対 し、メスは2.2kgぐ らいが一般的なようです。ところでヨーロッパの地中海沿岸からインドにかけ ての地域とアフリカの沿岸地域の一部には同じぐらいの体の大きさをした、ヨーロッパフラミンゴという別のフラミンゴが生息しています

このベニイロフラミンゴとヨーロッパフラミンゴは棲んでいるところは大西洋を挟んで全く異なるにもかかわらず、実は極めて遺伝的に近い動物同士だ というこ とが分かっています。そして研究者によっては、よくこの2つは異なる種ではなく同じ種に属する亜種同士だという意見もあり、彼らを別々の種に分類するかど うか については今でも議論がなされています。

個人的にはベニイロフラミンゴ が鮮やかな紅色をしているのに対し、ヨーロッパフラミンゴはずっと薄いピンク色をしているので、見た目も全然異なる ことから 別種でもいいんじゃないかなぁと思うのですが、どうなんでしょう?日本の動物園では、彼らを同じ亜種でもちゃんと区別して展示しているところが多いことか ら、とりあえずここではヨーロッパフラミンゴは置いといて、ベニイロフラミンゴについて詳しく紹介します。

さて普段羽を折りたたんでいる時は全身が真っ赤に見える彼らなのですが、実は羽を広げると、主に羽ばたくために使われる翼の下側の縁 の部分は黒い色をしています。またフラミンゴ 特有の細くて長い足も全体がピンク色をしています。大きくて、下にカーブした形のくちばしは根元に近い部分がピンク色で、先端の部分が黒くなっているのが ポイントです。

子育てに一生懸命
ベニイロフラミンゴ画像2
他のフラミンゴ同様ベニイロフラミンゴは水辺を好み、塩水を含んだ干潟や、河口付近にみられる塩水と淡水が半分混ざった汽水域と呼ばれる付近の沿岸、また 内陸部の湖の周りなど、塩水、 淡水問わず水が豊富にある地域で見ることが出来ます。彼らは他の動物では住めないようなアルカリ性の強い水辺でも普通に生活することがで き、かなり高い適応力を持っています。

ところで彼らはとても変わった方法で餌を取ることをご存知でしょうか?具体的には頭を上下さかさまにして水面に付け、くち ばしを水中に完全に沈めます。このくちばしのなかには「ラメラ」と呼ばれる、細かい繊毛が付いているのです が、彼らはくちばしから盛んに 水を出し入れし、この時この繊毛をつかって、餌となるものだけをこしとって食べます(ちょうどヒゲクジラのヒゲと同じ役割を果たします。) またフラミンゴといえば歩きまわって餌を探すイメージがありますが、ベニイロフラミンゴは水の上をカモのように泳いで、水中で逆立ちして餌を取ることもあ ります。

彼らの食べ物には主に昆虫などの小動物や、藻などの植物性のものが含まれます。

ベニイロフラミンゴ達は同じ場所に固まってコロニーと呼ばれる集団を作 り、それぞれがその中でなわばりを持ち、巣を作ります。それぞれの巣は1.5mぐらいしか離れておらず、コロニーの中は多くのフラミンゴで非常に密集して います。彼らはガチョウに似た大きな声を出し、群れが巨大になるとその声もすさまじいものとなります。

ベニイロフラ ミンゴの繁殖期は5〜8月で、この時期になる とオスもメスも首をのばしたり、ダンスを踊ったり、毛づくろいをするなどして盛んに求愛行動を行います。そして交尾が行われると、その後石灰質の真っ白な卵を1つ産み落とします。 動物園に行ってご存知の人も多いと思うのですが、彼らはくちばしを器用に使って砂や土でできた小山をつくり、その真ん中をくぼませて、そこに卵を産み 落とします。そしてそれをオスとメスが交互に卵を温め、28〜32 日ぐらいすると灰色の羽毛に包まれてピンクのくちばしを持っ た子供が産まれてきます

ベニイロフラミンゴはとても子供に愛情を注ぐ鳥で、お父さんとお母さんが一緒になり、最大で なんと6年間も子育てを行います。その後巣立 ちを迎えた子供は自分の配偶者を見つけて、新たに繁殖を行うようになります。また彼らは鳥の中で非常に寿命が長いことでも 知られており、最高で40年ぐらい生きることが出来るそ うです。

執筆:2008年2月19日

[画像撮影場所] 東山動植物園

東山動植物園サイトバナー

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