ベルツノガエル Ornate Horned Frog
いやぁ…、なんともはや…、すごい貫禄ですねぇ。この写真の彼…。写真だ
けでしたら『何こ
れっ!?』ってな感じですが、れっきとしたカエルです、はい。彼らの名前
はベルツノガエル君、
南アメリカはブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、アルゼンチンなどの国々の森の中に棲んでいます。
ベルツノガエル君の一番の特徴はそのド
派手な色合いなのですが、基本的には明るい緑や黄色い肌に濃い目の赤もしくは
黒に近い斑点が背中側にみられます。
ベルツノガエルの体の大きさは9〜14cmぐ
らいで大きいものでは18cmに達します。体重の方も大
きなものでは480gに
達し、その大きさはあのウシガエルに匹敵します。メスのほうがオスよりも若
干大きめで、この辺もウシガエルと
同じです。朝起きてこんなの
が横に座ってたらえらいことですなぁ…。
彼らはユビナガカエル科(Leptodactylidae)と呼ばれるグループに属し、学名は『Ceratophrys
oranata』と
いいますが、これは『派手な角質の
肌』という意味で目
の上の突起のことを表しています。日本語のツノガエルというのもこの突起が角に見えるためで、これは普段彼らが地面にもぐって過ごすと
きに目の中に泥やゴミが入るのを防ぐためのものだと言われています。
非
常にずんぐりむっくり(死語?)とした体型をしていて、見るからに『鈍そう…。』といった
感じを受ける彼らなのですが、実際の生活スタイルも非常にぐうた
らで普段は葉っぱや泥の下でじ
〜っとしていて、目だけを外に出しています。ですがこいつ、動かないくせに食欲だけは一人前どころか非常に大飯ぐら
いで、いきなり地面から飛び出してきて、近くに
寄ってきた獲物を片っ端からパクパク食べてしまいます。『働かざるもの食うべからず』なんてこ
とわざは彼らには全く関係ありません。
彼らの獲物は小型の動物達で、主に昆虫やネズミ、トカゲ、鳥、小型のヘビなど小さな脊椎動物も食べてしまいます。更に他の種類のカエルも獲物にするどころ
か、同じ種類の自分以外のベル
ツノガエルもお構い無しに食べるというからびっくり。あまり何にも考えてなさそうな表情をしていますが、彼らにとっては動くもの全て
が食べ物なんでしょうなぁ…。
またその食欲にふさわしく、彼らの丸こいからだの前半分はほとんど口になっています。こんな体を持ってることから、しばしば彼らは『脚の生えた口』などといった
非常に不名誉なあだ名まで持って居たりします。ただ彼らが居るおかげで小動物が増えすぎるの
を防ぐことができ、そういった意味では森にとって無くてはならない存在です。
カエルと言えば冬になると冬眠することで有名ですが、ベルツノガエルは夏になると休眠してしま
う『夏眠』と呼ばれる行動を取ること
がわかっています。これは熱帯
地方の厳しい乾季を乗り切るためのもので、その間は地面の中で眠って過ごします。
彼らの寿命については良くわかっていませんが、大体6年程度であるといわれていま
す。繁殖の際には適切な温度の流れの無い水の中にメスが1,000〜2,000個の卵を産み付けます。子供の成
長は非常に早くオタマジャクシや子ガエルになるのに二週間程度しかかかりません。
たくさんの個体が生息しているベルツノガエル君は特に法的な保護を受けていませんが、結構ペット愛好家の中では人気があるら
しく日本でも飼うことが出来ます。でも、決してこれを飼おうと思う人は最後まで責任持って育ててください。こ
んなものがその辺の池に捨てられて大量に繁殖してしまったら…。えらいことになってしまいますので…。
[画像提供] 株式会社ナレッジリンク様
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